第1話 はじまりの歌―― 「あの……」 「?」 「あ……いや、ごめんなさい。かわいいから……女の子だと思っちゃって」 「あはは、気にしないでいいよ、よく間違えられちゃうんだ、わたし」 「そう……なんだ」 「うん」 「出席番号が隣同士ってことは……お誕生日近いんだね」 「そうなのかな?ボクは、10月13日なんだ」 「え?そうなの?」 「うん」 「それじゃぁ、わたしとおんなじだね」 「そうなんだ」 「うんうん、びっくりだね」 「……うん」 「ねぇ、わたしとお友達になってよ」 「え……?」 「仲良しになりたいんだ。キミと」 「ボクなんかで……いいの?」 「ほぇ?」 「だって……」 「わたしは、キミと仲良しになりたいんだよ。いや?」 「……なりたい」 「じゃぁ、決まり。仲良くしてね」 「うん!」 そうして――私たちは出会った…… |